3社目に転職して大変だったのは前任者からの業務の引継ぎでした。
一応手順書的なモノはあったのですが、
・最終更新日が1年以上前
・様々なフォルダに分散されたファイルをかき集める必要があった
・変更内容は口頭で伝えられた
などの問題がありました。
ただでさえ慣れない業務内容や手順を覚えないといけないのに、それ以外の事にもメモリを割く余裕はなく、当初は漏れ抜けが多くありました。そもそも台帳が多すぎという問題もありましたが。
ドキュメント化して日々メンテナンスするとみんなが楽になるよ、という観点の記事です。
とにかく情報を集約してほしいのです
上記の本を読んだ時に思ったのですが、発達障害でなくても「見えないモノは無い」というのは非常によくわかります。・・・もしかしたら発達障害かもしれないけども。
集約して、なおかつ検索が容易だと助かります。だって一回聞いたくらいじゃ覚えられないし、対応中は他の人にいちいち聞いていられないし、それぞれ対応方法が細かくて対応後も色々やらなきゃいけないとか思考回路はショート寸前です。
そんな中、教えてもらう側としてドキュメントがないことで下記2点の問題があると感じました。
教える側に漏れがある
よくある引継ぎ方法としては、とにかくその業務に必要なことをわーっと話した後に「わからなければ後で聞いてくださいね」という手法だと思いますが、どんだけメモを取っても結局は実際に業務やり始めてから都度聞くことになります。
教える側としては慣れている業務ですから、自分でも無意識にチェックしている部分を伝えていない場合があります。教わる側としては聞いていない部分というのはないことになりますので、世代を重ねていくごとにその部分が必要だったとしてもそぎ落とされて、しばらく経ってから問題が顕在化します。
個別に何人かに教えていると、こっちの人には教えたけどこっちの人には教え忘れたりする場合があります。教える側としては一回以上誰かには言ってますから、言っていない人がその点でミスをすると「前教えたよね」みたいになります。教わる側としては言われてないので非常に腹が立ちます。
個人的に言った言わないの論争というのは非常に無駄だと思っていますので、個人の記憶やメモに頼るのではなく隅々までドキュメント化しておく必要があると思います。
教わる側にも漏れがある
教える側も漏れがありますが、教わる側も教えてもらっているけれどもスルーしてしまう場合があります。
まだ業務がわからない状態で口頭で言われても意味がわからないからどこが大事だかわからないので、メモはもちろんとりますがすごい簡素なメモになるか、膨大なまとまっていないメモになるかの二択です。
また、業務がわからないと業務特有の文言なのか一般的な文言なのか判断しながらメモるから、判断や解釈が間違って伝わっていても教えてる側は気付きません。
結局抜け漏れが発覚するのは問題が表面化した時です。回避する為にはちゃんと文書として残しておいてほしいです。
共有の仕方も大事だよ
いやいや、ドキュメント書いているよという方もいると思いますが、共有の仕方や日々の更新も大事です。
以下の要素があればより良いでしょう。
・日々更新される状況
・更新が簡単
・集約できる
作った人以外の関係者が日々ブラッシュアップできる状況が望ましいです。「作った人以外」というのが肝です。そうでなければシャカリキに作っても冒頭のように更新されず、結局使えないドキュメントになってしまいます。担当を外れても更新されやすい環境・状況が必要です。
その為には更新が簡単である必要があります。更新方法が面倒だと誰もやりたがりません。自分用のメモが充実するだけで共有されずもったいないです。そういう意味ではパワポで絵図入りの手順書は更新しづらいのでお勧めしません。まだExcelやWordの方がマシですね。
集約できると情報へのアクセスが楽になるので全体的な作業時間が短縮できます。「あの資料どこだったかな・・・」って探す時間はもったいないです。
今はesaとかScrapboxとかQiita:Teamとか外部サービスで使いやすいものがありますから、文明の利器を使って負担を減らすことが重要です。(個人ではScrapboxを使っています)
外部サービスダメな会社であっても社内サーバでWikiとかCMSとかなんとか使えるようにするとか、最悪ExcelやWordですかね。
この業務の情報はここにある、文字で明確に残す、日々更新するという文化を作ることができれば引継ぎがあってもたいした手間にはならないし、漏れ抜けや解釈の違いが起こりにくくなります。忙しいとなかなか放置しがちですが、少しの手間をかければ後々の多くの手間を省くことができますので、ドキュメント化は大事だと思います。